ご存じですか? 『学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン』
セコムの舟生です。
いきなりですが、実は子供が命を落とす要因の第1位は圧倒的に「不慮の事故」だということをご存じでしょうか? このブログを読んでいただいているみなさんのなかにも、お子さんの事故に関してヒヤリとした経験をお持ちの方は多いと思います。
先日、産官学が協働して、この子供の事故をデザインの観点から減らしていこうという取り組みであるキッズデザイン協議会が発足しました。
私もそのメンバーの一員として子供の事故防止について積極的に取り組んでいきます。
このブログは「子供の防犯」ということで開始しましたが、今後はもっと視野を広げた「子供の安全」に関してもさまざまな取り組みをご紹介していきたいと思っています。
さて、6月になり、ずいぶん日が長くなりましたね。東京では午後7時頃でも、まだまだ薄明るくて“夕暮れ”といった感じです。
「まだ明るいから…」
…お子さんの帰宅時間が遅くなってはいませんか?
夏に向かって、ひったくりや路上強盗、痴漢や女性・子供を狙った公然わいせつなど、路上での犯罪が増えてきます。もう一度「学校から家まで」「塾から家まで」の子供がよく利用する道路を、親子で点検してみてはいかがでしょうか?
以前にもご紹介したように、親子でのお散歩は、なかなか楽しいものです。
それでは今回は、「学習塾に通う子供の安全」について、ゲストも交えてお話したいと思います。
平成18年3月、経済産業省から『学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン』が公表されました。
そこで今回は、ガイドラインをつくった“学習塾に通う子どもの安全対策推進委員会”の委員でもあるセコム株式会社 IS研究所の甘利康文氏に、『学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン』について説明をしてもらおうと思います。
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みなさん、こんにちは。セコムの甘利です。以前、このブログでご紹介した「“子供の防犯”を考える座談会」にも参加していましたので、みなさんにお目にかかるのは、今回が二度目になります。
そもそも、“学習塾に通う子どもの安全対策推進委員会”が発足したきっかけは、平成17年12月10日に発生した、塾の講師が塾生である女児を殺害するという事件です。本来、子供を守るべき立場にある塾の先生が起こした事件であったため、非常に衝撃的でした。
この事件を重く受け止めた経済産業省は、社団法人 全国学習塾協会に対して、学習塾における子供の安全を確保するため、『学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン』を策定するよう指導しました。それを受けて全国学習塾協会が、経済産業省と協力のもとに、有識者や学習塾関係者からなる“学習塾に通う子どもの安全対策推進委員会”を設置したのです。
『学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン』の3つの目的は、
1) 通塾時における安全の確保
2) 学習塾教職員の資質の向上
3) 安全を重視した学習環境の整備
です。
学習塾事業者などが守るべき共通の基本的な方針を提示し、かなり「具体的運用例」も盛り込んで書かれています。
“学習塾に通う子どもの安全対策推進委員会”は、「各学習塾事業者が利益のみを優先することなく、学習塾を利用する子供の安全を確保するための指針として活用してほしい」という願いを込めて、『学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン』の策定をしました。
このガイドラインが周知・普及されることによって、子供が被害に遭う悲しい事件の防止に役立つことを願っています。
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保護者ならだれでも、子供の安全をきちんと確保してくれる学習塾を選びたいと考えていると思います。「そちらの塾は、『学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン』を守っていますか?」
…などと、通っている学習塾に確認してみるのもいいかもしれません。
『学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン』を、学習塾がしっかりと遵守しているかどうかも、今後、塾選びの目安になりそうですね。ところで、塾は文部科学省ではなく経済産業省の管轄なんですね。ちょっと意外でした。
今回は、ここまでです。次回は「事前に備える ~塾や習いごとの行き帰り~」をテーマにレポートする予定です。お楽しみに。
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